天然ガス

天然ガスはどうしてできたの?

ひとことで天然ガスといっても、天然ガスにはいろいろな成分が含まれています。九十九里地域で採取されている天然ガスはメタンが主成分(約99%)ですので、メタンガスと言ってもいいかもしれません。天然ガス中のメタンは有機物が熱分解して生成されたり(熱分解起源)、あるいはバクテリアが有機物を分解して生成されると考えられていますが(生物分解起源)、その他にも無機物の炭素からも生成されることもあるようです(無機起源)。私たちが開発を行っている地域には、メタンガスを豊富に含む地層が地下に広く分布しています。この地域のメタンガスはバクテリアが有機物を分解して生成されたと考えられています(生物分解起源)。

では、どうしてバクテリアの分解したメタンガスが地下深くにあるのでしょうか? ちょっと時間をさかのぼって見ましょう。今からおよそ2百万年から80万年前、九十九里地域は小さな化石の証拠から、水深約800m程度の海底であったことがわかっています。ここに、陸域から運ばれた泥や砂、有機物がたまっていきました(時には九州で噴火した火山灰もたまっています)。この有機物は、バクテリアによって分解され、その結果メタンが生成されました。通常なら生成したメタンは泡となって逸散してしまいますが、深い海の底であったため、水に溶けるメタンの量が多かったのです。さらに、泥や砂のたまる量が多く、その時間も早かったため、メタンの拡散が少なかったと考えられています。その後の長い年月で幾重にも泥と砂が重なり合い、泥や砂はかたい岩石になり、発生したメタンは地層中に保存されたまま、現在まで経過して私たちの生活に役立っているのです。

一般的に、天然ガスはその存在する状態によって、石油系ガス、炭田ガス、水溶性天然ガスなどに分類されますが、千葉県の天然ガスは「水溶性天然ガス」と呼ばれることが一般的です。また、千葉県を含む関東平野南部は「南関東ガス田」と言われ、水溶性天然ガスが豊富に保存されており、現在の生産量を続けても、あと800年分もあると言われています。

最近の話

最近では科学的なデータが蓄積され、上のような考え方でメタンガスの生成・保存を説明できない問題がいくつも出てきています。たとえば、水に溶けるメタンガスの体積はせいぜい水の体積の2倍程度ですが、実際の生産量をみるとメタンガスの量が水の体積の40倍にも及ぶことがあるのです。バクテリア起源のガスであるとすると、どの様に水に溶ける分以上のガスを保存できたかが問題です(ガス体のまま逸散せずに保存するか)。最新のデータによれば泥の部分は千年で1mほどたまったと考えられていますので、せいぜい1年で約1mmです(最初にたまった時には、この2~3倍程度の厚さがあったと考えられますが)。ガスを保存するには薄すぎるように感じます。

また、バクテリアの個体数の大部分はせいぜい海底表面の数十cm程度の深さに集中しており、これより深くなると極端に少なくなると言われています(3万分の1以下というデータがあります)。砂は海底で発生した土石流のような流れ(地質学的にはタービダイトと言っています)で運ばれてきますので、一瞬のうち何十cm~1m以上の砂が泥の上にたまってしまいます。したがって、砂がたまった後で活発に活動してくれるバクテリアは少ないと考えられます。ですから、大量のガスをバクテリア活動で保存していく過程がうまく説明できません。こんなことで、いろいろな矛盾が広がっています。

ただ、深いところでも活動してくれる働き者のバクテリア君がいたとしたら、メタンの量を説明できるかもしれません。また、最近注目を集めているメタンハイドレートが形成されていたとしても説明できるかもしれません。

さて、

 働き者のバクテリア君はいるのでしょうか?
 メタンハイドレートだったのでしょうか?