最近では科学的なデータが蓄積され、上のような考え方でメタンガスの生成・保存を説明できない問題がいくつも出てきています。たとえば、水に溶けるメタンガスの体積はせいぜい水の体積の2倍程度ですが、実際の生産量をみるとメタンガスの量が水の体積の40倍にも及ぶことがあるのです。バクテリア起源のガスであるとすると、どの様に水に溶ける分以上のガスを保存できたかが問題です(ガス体のまま逸散せずに保存するか)。最新のデータによれば泥の部分は千年で1mほどたまったと考えられていますので、せいぜい1年で約1mmです(最初にたまった時には、この2〜3倍程度の厚さがあったと考えられますが)。ガスを保存するには薄すぎるように感じます。
また、バクテリアの個体数の大部分はせいぜい海底表面の数十cm程度の深さに集中しており、これより深くなると極端に少なくなると言われています(3万分の1以下というデータがあります)。砂は海底で発生した土石流のような流れ(地質学的にはタービダイトと言っています)で運ばれてきますので、一瞬のうち何十cm〜1m以上の砂が泥の上にたまってしまいます。したがって、砂がたまった後で活発に活動してくれるバクテリアは少ないと考えられます。ですから、大量のガスをバクテリア活動で保存していく過程がうまく説明できません。こんなことで、いろいろな矛盾が広がっています。
ただ、深いところでも活動してくれる働き者のバクテリア君がいたとしたら、メタンの量を説明できるかもしれません。また、最近注目を集めているメタンハイドレートが形成されていたとしても説明できるかもしれません。
さて、
働き者のバクテリア君はいるのでしょうか?
メタンハイドレートだったのでしょうか? |