ヨウ素・ヨウ素化合物

ヨウ素の製造方法

天然ガスとともに汲み上げられるかん水がヨウ素の原料となります。かん水中にはヨウ素イオンが100ppm(1,000リットル当たりに100g)前後含まれており、製造工程はこのヨウ素分を抽出・濃縮して濃厚液とする前半工程と、濃厚液中のヨウ素を結晶として取り出し、精製して製品とする後半工程からなります。

現在国内のヨウ素製造方法は、かん水からのヨウ素分の抽出の仕方によってふたつに分類されます。1つはイオン交換という原理を利用して、樹脂にヨウ素分を吸着させ抽出するイオン交換樹脂法と、もう1つはヨウ素の気化しやすい性質を利用して、気化させたヨウ素を吸収液に取り込んで抽出するブローアウト法です。当社では、この両方の製造方法を採用しています。

【イオン交換樹脂法】
イオン交換樹脂法には、原料となるかん水の量に応じて、製造設備を大規模なものから小規模なものまで対応できることや、低温かん水からのヨウ素製造に適しているといった特長があります。

【ブローアウト法】
この製造方法ではヨウ素を抽出する「放散」と、抽出したヨウ素を濃縮する「吸収」という二つの工程をブローアウト塔のみでまかなえるため、製造工程を簡略化できるという特徴があります。当社ではヨウ素製造方法をイオン交換樹脂法のみ採用していましたが、2010年4月より新たにブローアウト法も導入されました。

ヨウ素製造工程

ヨウ素製造工程

  1. かん水に酸化剤を加えてヨウ素イオンをヨウ素分子に変化させ、放散塔内の上部から散布します。散水したかん水中のヨウ素分子は空気中に放散され、吸収塔へ送られます。
  2. かん水に酸化剤を加えます。 酸化剤による酸化反応でかん水中のヨウ素イオンを一部分子状ヨウ素にしてイオンと分子状を混在させ、より多くのヨウ素がイオン交換樹脂に吸着できるようにします。
  3. 酸化剤を加えられたかん水はイオン交換樹脂(直径約0.5~1.0mm)が充填された吸着塔を通ると、かん水中のヨウ素がイオン交換樹脂に吸着されます。 一定時間かん水を通し、ヨウ素が充分に吸着されたイオン交換樹脂は吸着塔から溶離塔へ送られます。
  4. 溶離剤を溶離塔に流して、イオン交換樹脂に吸着されたヨウ素を溶離し、溶離液中に回収します。 この溶離液1,000リットル当たりに約35kgのヨウ素が含まれています。 ヨウ素を溶離したイオン交換樹脂は吸着塔へ充填されて再びヨウ素を吸着します。 樹脂は吸着⇔溶離とサイクルをしています。
  5. 溶離液に酸化剤を加えると、ヨウ素は黒色粒子状のスラリー(泥状)となって析出して溶融釜へ送られます。 このスラリー1,000リットル当たりに約300kgのヨウ素が含まれています。
  6. ヨウ素スラリーは溶融釜で熱せられると溶融ヨウ素(液状)となり、比重の大きいヨウ素は釜の下に溜まります。 熱と比重差を利用して不純物を分解または分離してヨウ素を精製します。